虚馬アーカイブス

私「窓の外」が「江戸川番外地」というブログに書いた文章をブログに移行したものです。

管理人:「窓の外」
ホームページ「江戸川番外地」で過去に書いたテキストを移行したブログです。

「劇場版 テニスの王子様 -二人のサムライThe First Game-」(浜名孝行)「~跡部からの贈り物~君に捧げるテニプリ祭り~」(浜名孝行)

 凄いらしい。とは噂されていた。見に行く気はなかった。でも…見た。

 事の起こりは今週発売の「週刊少年ジャンプ」の作者コメント欄。許斐剛はこう書いた。


「劇場版とにかく凄い!!スポーツAの常識を、カンフーハッスルを超えました!是非劇場で!」



 なんだとこの野郎。

 言うに事欠いて、チャウ・シンチーが全身全霊を込めた作品を、たかだかテニプリの映画版が超えただと!!ふざけんな!!ファッキン!!

 俺がこの目で確かめてやる!!
←術中。

 …というわけで、上映されてる近くのシネコンまで出向く。まず入るまでが大変。なにせ、チケットを買わなくちゃいけない(当たり前だ)。ここ、買ったチケットをマイクで読み上げるのでちょっと躊躇する。普通にオタクな映画なら躊躇ないのだが(おい)、こういう明らかに俺が対象外の映画のチケットを買うのは結構勇気が要る。

 で、劇場に入る。案の定女性ばっかり

 こういう状況での「女性ばっかり」はあまり嬉しくない。一種異様。明らかに俺は場違いの人間で居づらいことこの上なし。ううううう。

 女性客たちはなぜか劇場の真ん中に集まりたがる傾向にあるようで、とりあえずその女性客から離れた脇の方で見る。食事がまだだったので買ってきたマクドナルドを開映前に、ほおばろうとしていたのだが、結局最後まで食べられなかった。


 最初は「-二人のサムライThe First Game-」。制作はProduction I.G.。


 あ、そっか。そういやI.Gなんだっけー、とか思いながらようやく真面目に見る気になる。
 話は桜吹雪彦麿っていうテニス好きの大富豪が主催する船上のエキジビジョン・マッチに、青学テニス部が招待される。その相手は桜吹雪が用意した高校生軍団。その中に越前リョーマの兄と名乗る越前リョーガがいたのであった。ってな話。

 最初のテレビ版の延長みたいなノリこそやや違和感あるものの、試合が始まるとなかなか面白い。「普通」の高校生プレイヤーたちに、いつもの調子でたたきのめす青学メンバー。おいおい。しかも「油断せずに行こう」ときたもんだ。高校生連中思わず「あいつら本当に中学生なんですか!?」と叫ぶ。まあ、そりゃ、そうだわなー。

 ここで高校生たちが感じる青学メンバーたちのイメージがスクリーン全体に爆発する。アメージングなイマジネーションだお前ら!特に手塚ゾーンのイメージは必見。そして最終対決は天変地異を引き起こしての超イマジネーションが炸裂する

 話自体はしょーもな、っつーか映画としてどーこー言えるもんじゃない。個人的には、「カンフーハッスル」と比べてどーこうってもんでもなかった。おおげさなイメージも、この程度の表現はまあ、アニメの「焼きたて!!ジャぱん」ででもやってるので、それほど衝撃でもなかった。

 ふーん、こんなもんかと思いながらスタッフロールを眺めていた。やがて次の併映作品が始まる。


 二本目「跡部からの贈り物~君に捧げるテニプリ祭り~」 制作:トランスアーツ


 うわあああああああああああああ…。


 すまん手塚部長!油断してた!あんじゃあこりゃあ。

 正直、10分少々の短編かと高をくくって見ていたんだけど、長い!くどい!濃い!特濃テニプリ汁一気飲み!許斐の変キャラが集まるとここまでくどくなるのか!衝撃だった。こんな世界があったのか!

 ずっとジャンプの一読者として、なんでテニプリ「ごとき」が人気あるのかと思っていた。その謎が一瞬にして氷解していく。これは…すげえ。あ…あ…


ありえねー!


 免疫がない分くらくらしてくる。これは…酔う。特に跡部はすごい。確かに氷帝はすごいインパクトのある変キャラ揃いだったけど、ここまでアニメで膨らませてるとは思わなかった。そういや「二人のサムライ〜」でもなにげに跡部大活躍だったし、アニメのテニプリでは奴はすでに核なのか?おそろしい…。

 特にクライマックスは大爆笑!ありえねー!!


 そーか!「カンフーハッスル」超えたってこっちか!


 あまりにくらくらして席から立てねー。こりゃあ参った。これ見たら、男でも跡部に惚れてる。うーん。なんかこう…正直すまんかった。中学テニス界は跡部に任せる!どーでもいいが。…おかしいな…マクドナルド食べられなかったのに、なんだろうこの満腹感。ああ…げっぷでそう。